子どもの教育費や将来のために、新NISAはじめたいけど、具体的にどんな制度なの?
2024年に一部改正したって聞いたけど、具体的にどんなポイントが変わったのか?
本記事では、ニュースやネット等で聞いたことあるけど、説明できない…新NISA(ニーサ)制度の概要と2024年に施行された改正ポイントについて解説していきます。特に、30代の子育てをしているパパにとって、家族の将来を見据えた資産形成にどう役立つのかも具体的に掘り下げていきたいと思います。
・新NISA(ニーサ)とは、「非課税(本来かかるはずの税金が免除された状態)で資産運用ができる制度」を指す。
・2024年1月より、従来のNISAが改正。非課税期間の無期限化や年間投資枠の拡大などが導入。
はじめに
NISA(ニーサ)とは
「NISA(ニーサ)」とは、日本政府が個人が資産を増やしやすくするために作った制度で、この制度を利用すると、年間で決められた額までの投資で得た利益(配当や売却益)に税金がかからなくなります。直近ニュース等で話題ですが、実は制度自体は2014年から始まっており、時代の変化に合わせて改正を繰り返してきました。
投資を既にはじめている方の目線で言うと、実際の利益を手元に残せるというメリットがあります。
仮ですが下記ケースの場合、100万円の売却益に対して、NISAを使った場合とそうでない場合で、約20万の差分が出ていることになります。
20万の利益が手元に入ると思うと、効果を実感する方も多いのではないでしょう。
NISAを使用している場合
- 売却益: 100万円
- 税金: 0円(NISAでは売却益に対する税金が非課税)
NISAを使用していない場合
- 売却益: 100万円
- 税金: 約20.315万円(税率20.315%)
- 内訳:
- 所得税: 15%
- 住民税: 5%
- 復興特別所得税: 0.315%
- 内訳:
- 手元に残る金額: 約79.685万円
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なぜ、NISA(ニーサ)が作られたのか
NISAは、欧米諸国と比較して、日本の低い投資率を改善し、少子高齢化に伴う将来の生活資金不足に備えるため、個人が自ら資産形成を行うことを奨励するために作られました。
実際の投資が盛んになることで、経済の活性化や金融教育の促進も期待されています。NISAが大々的に打ち出されるようになってから、国民の関心も高まっている気がしております。実際に、パパが電車で通勤している時にも、「NISAやってる?」「個別株はじめてみた」等、投資にまつわる話題を聞くことが増えた気がします。
低い投資率と貯蓄から投資へのシフト
日本では家計資産の多くが現金・預金に集中しており、投資に回る割合が低かったことが課題でした。これにより、家計資産が成長する機会が少なく、経済の活性化にもつながりにくい状況が続いていました。NISAは、現金や預金に偏っている日本人の資産運用を多様化し、より多くの人々が投資に参加することを促進するために作られました。
少子高齢化と将来の年金問題
日本は急速に進む少子高齢化社会に直面しており、将来的な年金制度の維持が課題となっています。公的年金に頼るだけでなく、自助努力で資産を形成し、老後の生活資金を確保することが求められています。NISAは、税制優遇を通じて投資を奨励し、個人が自らの資産を増やす手助けをするために設けられました。
経済活性化
NISAを通じて投資家が増えることで、株式市場などへの資金流入が増加し、企業への資金供給が円滑になります。これにより、企業が成長し、雇用が創出されるなど、経済全体の活性化が期待されます。
金融教育の促進
NISAは、投資をより身近なものとし、投資に対する知識や理解を深めるための一環でもあります。これにより、若い世代や投資初心者が、リスクを理解しながら投資を始めるきっかけを提供しています。
新NISAの仕組み・基礎知識
つみたて投資枠、成長投資枠の概要
NISAはこれまで説明してきたとおり、売却益・配当/分配金の運用益が非課税になる制度です。
新NISA改正に伴い、「つみたて投資枠」という安定した長期的な資産形成を目的とした枠と「成長投資枠」という比較的リスクの高い資産に投資し、高いリターンを狙うための枠が設計されました。
2024年1月から始まった新NISAで新しく設定された2つの投資枠「つみたて投資枠」「成長投資枠」の概要になります。年間に投資できるのは、「つみたて投資枠」が120万円、「成長投資枠」が年間最大240万円の合計360万円になってます。枠の1,800万円を埋めるためには、5年(1,800万円÷ 360万円)かかる計算です。
つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
非課税保有限度額 | 1,800万円 ※簿価残高方式で管理(枠の再利用が可能) | |
1,200万円(内数) | ||
口座開設期間 | 恒久化 | 恒久化 |
投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 (旧制度のつみたてNISAと同様) | 上場株式・投資信託等 (除外条件あり) |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
旧制度との関係 | 2023年末までに旧制度の一般NISA、つみたてNISAで投資した商品は新しい制度の外枠で、旧制度における非課税措置を適用 |
旧NISAと新NISAは何が違う?
ここまで、新NISAの解説をしてきました。しかし、初めてNISAという言葉を聞いた人にとっては、何が違うのがピンときていない人も多いのではないでしょうか。ここでは、旧NISAと新NISAで大きく変わったポイントを紹介します。
今回の制度改正に伴い、旧制度の「一般NISA」と「つみたてNISA」は一本化されて、代わりに新NISA内で「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分かれたことが違いです。
旧NISAと新NISAの違いを、5つのポイントにまとめてみました。言葉が堅苦しくなるので、わかるやすい言葉でまとめてみました。
旧NISA | 新NISA | |||
---|---|---|---|---|
つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
制度の併用 | 併用不可 | 併用可 | ||
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 最大20年間 | 最大5年間 | 無期限 | |
非課税保有限度額 | 800万円 | 600万円 | 1800万円 (成長投資枠は1,200万円まで) | |
投資対象商品 | 投資信託 | 株式・投資信託・ETF | つみたてNISAと同じ | 株式・投資信託・ETF (一部制限あり) |
①:NISA制度の併用 〜制度は併用できるの?〜
成長投資枠(旧 一般NISA)とつみたて投資枠(旧 つみたてNISA)の併用が可能になりました。
②:NISAの年間投資枠 〜年間いくらまで投資できるの?〜
年間投資枠は、従来の120万円(一般NISAを選んだ場合)から3倍の360万円まで年間投資上限額が引き上げられました。一般NISAからの比較で、240万円の増額になりました。
旧NISA:
一般NISAでは年間120万円、つみたてNISAでは年間40万円まで投資が可能でした。
新NISA:
年間投資限度額が大幅に増額され、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円、合計で年間360万円まで非課税で投資が可能になりました。
③:非課税期間の無期限化 〜投資してからいつまで非課税なの〜
非課税保有期間が無期限になったことで、非課税保有限度額の大幅な拡大と制度の恒久化が実現され、投資家はより多くの資産を、より長期間にわたって非課税というメリット受けながら運用することができるようになりました。
④:非課税保有限度額 〜累計いくらまでが枠なの?〜
非課税保有限度額とは、生涯を通じて非課税で投資できる上限金額のことです。
旧NISAでは、はっきりと非課税保有限度額が設定されているわけではありませんでした。
しかし、非課税保有期間と年間投資額から、つみたてNISAは40万円×20年で800万円、一般NISAは120万円×5年で600万円が実質的な非課税保有限度額になりました。
新NISAでは、非課税保有限度額が1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円)と設定され、これまでのNISAよりも多くの額を非課税で運用できるようになっています。
旧NISA:
非課税で保有できる資産の限度額に明確な上限はありませんでしたが、一般NISAの5年ごとの非課税期間の終了時に新たに枠を使い直す必要がありました。
新NISA:
生涯で非課税で保有できる資産の総額は1800万円(うち1200万円は成長投資枠)と定められています。これにより、長期にわたって非課税の恩恵を受け続けることが可能です。
⑤:投資対象商品 〜どんな商品に投資できるの?〜
旧NISAでは、株や投資信託(お金をいろんな株や債券に分けて投資する商品)に投資できました。新NISAでも、これらに加えて、さらにいろんな種類の商品に投資することができます。
補足:売却で投資枠が復活
年間投資枠と非課税保有限度額が拡大した上に、保有資産を売却すれば非課税保有限度額の枠を再利用できることも、新NISAで大きく変わったポイントになります。
新NISAは資産を売却すると、売却した商品の元本価格分の枠が、翌年以降に再利用できるようになります。
投資を始める前に是非、こちらもご覧ください。
まとめ
ここまで、誰でも分かる新NISA制度の基本と変更点について解説してきました。
最後まで見て下さりありがとうございました。
正しく投資について学ぶことが、資産形成においても重要だと捉えております。パパも勉強しながらも引き続き意味のある情報を提供できればと思います。株式投資ライフを楽しみましょう!
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